鯉山(こいやま)
中国の「登龍門」の語源の逸話で、鯉が龍門の滝をのぼり龍になる勇姿をあらわしています。
前懸、胴懸、見送等は16世紀西洋の毛綴で重要文化財です。
鯉山の山鉾町
京都市中京区室町通六角下る鯉山町
鯉山(こいやま)
鯉山は中国黄河の難所である龍門の滝を登り切って龍となった鯉が出世開運の神としてまつられたという中国の故事(登竜門)ちなんで作られた山である。御神体の鯉は全長一メートル五〇に及ぶ木彫の見事なもので名工左甚五郎作と伝えられている。鯉山の周囲を飾る毛綴は、B・Bのイニシァルに依って十六世紀にベルギー(当時はブラバン洲)のブリュッセルで織られた壁掛(タペストリー)であることが判明した。もとは一枚の壁掛から「見送り」「胴掛」「前掛」「水引」が作られている。また、この壁掛の図柄は、最近の調査に依り古代ギリシャの詩人ホーマー作で、トロイ戦史を綴った叙事詩「イリアッド」物語の中のトロイのプリアモス王と后がゼウスの神に鳥占いを乞うという重要な場面を描いたものであるといわれている。このように鯉山の毛綴は世界的にみても極めて貴重なもので国の重要文化財に指定されている。別に旧胴掛として更紗のものが保存されている。
京都市
上は鯉山の山鉾町に掲示されていた京都市の古い駒札(下の写真)の文を書き写しています。