月鉾は７月17日の祇園祭前祭に巡行します。

月鉾（つきほこ）

　鉾頭（ほこがしら）に新月型（みかづき）をつけているので、この名で呼ばれる。真木のなかほどの「天王座（てんのうざ）」には月読尊（つきよみのみこと）を祀（まつ）る。古い鉾頭（ほこがしら）と天王の持つ擢（かい）には「元亀四年（一五七三）六月吉日大錺屋勘右衛門（おおかざりやかうえもん）」の刻銘（こくめい）がある。また別の鉾頭には正徳四年（一七一四）の刻銘もある。屋根裏の金地著彩草花図（きんじちゃくさいそうかず）は天明四年（一七八四）丸山応挙（まるやまおうきょ）（一七三三～九五）の筆。天井（てんじょう）の金地著彩源氏（きんじちゃくさいげんじ）五十四帖扇面散図（じょせんめんちらしず）は天保六年（一八三五）に町内の住人岩城九右衛門（いわきくりえもん）の筆、破風蟇股（はふかえるまた）の彫刻は左甚五郎の作と伝えられる立派なものである。軒桁貝尽（のきげたかいづく）しの錺金具（かざりかなぐ）は松村景文（一七七九～一八四三）の下絵（したえ）、四本柱の錺金具、破風散しの金具などはいずれも華麗なもので山鉾のなかでも最高のものである。上水引（うわみずひき）の刺繍双鸞霊獣図（ししゅうそうらんれいじゅうず）は天保六年（一八三五）丸山応挙の下絵、下水引（したみずひき）の蘭亭曲水宴図（らんていきょくすいえんず）は文化十三年西村楠亭（にしむらなんてい）（一七七五～一八三四）の下絵という。前掛（まえかけ）、後掛（うしろかけ）は華麗なペルシャ緞通（だんつう）、胴掛はコーカサス緞通などを用いている。近年下水引は皆川月華（みながわげっか）作の花鳥図に、見送（みおくり）も同じ作の草花図にかえている。
　　　　　　　　　　　　　京都市
上は月鉾の山鉾町に掲示されていた京都市の古い駒札（下の写真）の文を書き写しています。

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