西院春日神社-さいかすがじんじゃ-京都観光写真集

 

西院春日神社

 

西院春日神社
(さいかすがじんじゃ)

5月初旬の藤の花が美しい西院春日神社は、淳和天皇(第53代、在位823〜833)の御所、淳和院の鎮守として奈良春日大社からご祭神を勧請した歴史ある神社です。
西院春日神社の御旅所の西院野宮神社は平安時代には齋宮の歴史がありました。齋王とは伊勢神宮に奉仕する皇女のことで、天皇の即位ごとに未婚の内親王または王女の中から選ばれていました。齋王が潔斎するための場所が齋宮(さいぐう)で、京都にはこの西院春日神社の御旅所の西院野々宮神社や嵯峨野の野宮神社など数ケ所がありました。源氏物語では六条御息所(ろくじょうみやすどころ)の娘が嵯峨野の野宮神社で潔斎を行っていたことが書かれています。
西院春日神社の鎮座地
 
京都市右京区西院春日町61
西院春日神社の境内参拝自由
西院春日神社への電車
 
阪急電車、京福嵐山線「西院」駅下車、徒歩約5分
西院春日神社への公共交通機関
 
市バス「西大路四条」下車
  (京都駅前から205系統)

由 緒

京都 西院春日神社由緒略記

一、ご祭神
 第一殿 建御賀豆智命(たけみかつちのみこと)
 第二殿 伊波比主命(いはぬしのみこと)
 第三殿 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
 第四殿 比売神(ひめがみ)
一、勧請 平安時代の初期、天長十年(西暦八三三年)二月二十八日 淳和天皇が仁明天皇に皇位を譲られ、淳和院(西院)にお移りになりました。この時、勅命により奈良の春日大社よりご分霊をお迎えし、守護神とされたのにはじまります。
一、信仰 淳和天皇の皇女、崇子(たかこ)内親王が疱瘡(ほうそう・天然痘)に悩まれたとき、神前の霊石が疱瘡を生じ、内親王の悩みに代わってより以後、皇室から病気平癒や災難厄除けの守護の神と崇められ、仁明天皇(承和五年七月)、後桃園天皇(安永三年七月)、仁孝天皇(寛政十二年二月)、敏宮(天保元年十二月)、和宮(弘化三年閏五月)、孝明天皇(慶応二年十二月)等、ご祈祷を命ぜられてまいりました。
 現在でも皇室の崇敬厚く、全国からご祈祷や守札を受ける参拝者があとをたちません。
一、病気平癒の霊石「疱瘡石」(ほうそういし)
 崇子内親王の代わりに疱瘡を生じて、たちどころに病を治したといわれる「霊石」です。その後「疱瘡石」と呼ばれて信仰を集め、世の人々は病の平癒を願ってこの石を拝するようになりました。また都に疫病がはやる前には必ずこの石の表面がぬれたそうです。普段は祈祷殿に納めてありますが、毎月一日十一日、十五日の月次祭の日には本殿内で公開致しております。
境内社 還来(もどろき)神社 旅行安全・還来成就
梛石(なぎいし)
 神前に「梛石」と呼ばれる神石があります。これを旅行者が往きに還りに撫でて祈願し、無事息災、還来成就をなす習慣があります。また、病弱者はこの石を撫でたその手で患部を撫で、健康の回復を祈るところから、後世「撫石(なでいし)」とも呼ばれるようになりました。
わらじ 古来から、旅路道中の安全を祈って「わらじ」を奉納する習慣がある。
上の文章は西院春日神社の門前に掲示されている由緒書を再録しています。

西院春日1
▲藤の花が美しい5月初旬の西院春日神社

西院春日2